学長と理事長の対談
(つきやさんの戸ガラガラー)
理:来たよー。うきうきだんごー。
学:あ、そう。
(黒豆茶ずずー)
(しばし休憩。BGM『津軽恋女』降り積もる雪雪雪また雪~よ~)
(学長、雑談しながら野田村大学通信の写真を人差し指と親指で広げ
ようとしている。タブレットPCの画像と勘違い。)
理:……学長?
学:……自分で妙なことしてる、紙でこれ大きくなるわけねえごど!
伸びるわけねえごど!
(爆笑)
理:学長もういっかいそれやって(笑)
学:(広げる動作をしながら)……伸びない。
(理事長、写真撮る)
―― 入学式以降の反応はどうですか?つきやさんにもお問い合わせが
あるようですが。
学:んー、そうだねえあのー…なんか知らないけど、知らないところで
なんかが動いてるって感じ?自分がぜんぜん……
―― 売り込んだわけでもなく?
学:うんそうそう、自分から見えないところでいろんな動きがあって……
―― 理事長もそうおっしゃってましたね、大学を始めた直後に。
学:ビックリすんの、いろんな反応が!こういうのはもっと若い人たち
が飛びついてくるのかなーと思ってたけど…そうじゃない!とこが
面白いなーと思って……
昨日のお客さんとか、他にも…姑には聞けないところを、地元の料
理とかね……
理:あ~~~~!
学:ずっと地元の人たちは、地元の料理つっても…こだわって作ってる
わけでもなくただ作ってるだけだから、教えるのじゃないんだよ!
―― 教えるつもりで作ってるわけではない?
学:(そうではなく)教えるでなくて、私の場合は「伝える」だよね。
「伝える」だけど、ひとそれぞれやり方が違うから、“こうしたほ
うがいいな”と思って、自分がそこに付け加えたものが「教える」
部分になるのかなと思って……
理:ああ~はいはいはい……
―― はいはい、なるほど。
学:教えるっつのは、なんか、おこがましいなと思って。
自分が、すごく勉強して覚えたっつのでないから…昔の人が伝え
て、伝わって……
理:…うんうん、その「伝える」が、「教える」、じゃないんだよね。
学:そうなの、「教える」じゃないんだよ。
理:若い人だと、「伝える」が「教える」になっちゃうよね。“こんな
こと聞いた”って人に自慢したくなっちゃうというか……そうじゃ
ないって言うところが、学長ぐらいの年代のひとたちの…
―― 自然さというか?
理:(若い人は)まだ自分で付け加えるだけの知識とか経験がないから
聞いたことは吸収してるけど。
学:吸収も、ある程度の経験を積んで初めて活きてくることだと思うよ
お姑さんもねえ、教えたくないんじゃないんだけど…めんどくさい!
もう歳とってるから!
(笑)
学:若い人は、ちゃんと理論で聞きたいのね「これはこういう理由だか
らこうするんだ」とか…年寄りゃそうでないの。
「こりゃあこうだせえでこうだ!(これはこういうモノだからこうだ)」
っつう感じ!
理:うんうんうん。たとえば料理でも「これ小さじ何杯?」って聞いて
も、「ながらだ!」ってばあちゃんが……
―― 「ながらだ!」(笑) ※ながら(だいたい)
理:若い人たちは当たり前だと思ってるから、小さじ何杯とか数値にな
ってるのが。 冷蔵庫にあるものでなくて、クックパッドでレシピ
見て。
学:(料理でないけど)90歳代の考え方だと、何かしてて「コレこうし
ていい?」って聞くと「ダメだ!」っつうの、「なんしてダメだ!?」
てば詰まってしまうのね、ただダメだっつうだけで。
―― ああー、理由はないんだ。
学:「じゃあなにしてだめなの?」「なんでだめえ?」って聞いても答え
は出てこないの、ただ…なんていえばいいかな……
―― 「そういうもんでねえからだ!」っていうような?
学:うん、そうそうそう。
学:あと、着物は良かったよね!
理:うん、着物ね!
学:あの、ドラム缶さ着たようなもんだけど(笑)
一同:いやいやいやいや!(笑)
(理事長メモに取る)
学:なに、書かないでそんなこと!!
(爆笑)
―― あれはでも貫禄がありましたね、すごかった!
学:あ、そう。あの羽織がいがったべ、なかなかいま着ないから。
理:羽織ね、確かに…いろいろ、隠れるよね。私も体型が普通に見える
からいいかもしんない。袴姿しか知らない人が後で私を見て「そん
なに細かったのか!」って……
―― 和服ってそういうものですもんね。
学:太い人もすっきり見えるし、細すぎる人もふくよかにもなるし……
理:和服いいな、また着たいな。
―― 春らしくてとっても良かったですね。
学:いろんな…企画?どういうのやるの?月に一回とか言ってたけど大
変になるひともいるし…
理:そう、みんなは無理だね、定期的にできそうなものはどんどんやる
けど、農業とか漁業は季節も天気もあるし、人が来るときに出来れ
ばラッキー、みたいなとこもあるけど、決まったものにどんどん入
っていけるものもあるし。パークゴルフはサークルみたいにしてや
ろうか、って。いろいろもう、最初からいろいろなアイディアが村
内外からこう……
学:うわあ、入ってくるの!?
理:そう!1期生からも、まだ春なのに秋には大学祭を!なんて。
学:おおー。
理:釣りのコースとか、問い合わせがあっても教授のサリー(佐々木陵太
教授)の休みと合わない、とか、ミュージックコースもそうなんだ
けど、こっちから月に一回この日に釣りやりますと募集したらどうか、
とか……ちょっとずつ、コースによって定期的にできるものを増や
しながら、直接村に来てくれた人にはそれはそれで対応するのはどう
かと……
学:昨日来た人が、こんなこと知りたいあんなこと知りたいっていうん
だけど、電話で答えられることもあるんだよね!それは個人的に、
それもひとつのやりかたとしても……
理:うん、いいと思う!
学:そうでねえば、みんながみんな……一回来てくれさえすれば、いつ
でもいいよ、ってできるようにしとくといいかなって。月一回だけ
だと、その時に聞きたいことが聞けないかもしれないし、その都度
聞きたいもんだと思うから。
―― イベントきっかけに知り合って来るようになりました、でも。
理:のんのりのだ物語のコンセプトがそれだからね。ツアーやったりイ
ベントやるのがゴールじゃなくて、それをきっかけに交流が生まれ
ていく、という…今度やる(イベント、のだ食コースあり)のも、
のだ食コース取ってない人もいるけど面白そうだから、っていう参
加もありだし。
(話してる写真を撮ろうとすると…)
学:いいから撮らないでー(超イヤそう)
理:いやいや、対談のページ作らないと!(笑)
―― 対談らしい感じも出さないといけませんので(笑)
(この後も続く…かもしれません。)